煽り運転は違反! レンタカーライフでも知っておく知識

煽り運転で一発免停も!

いわゆる「煽り運転」と呼ばれる危険な運転が社会問題化するなか、全国の警察が取り締まりを強化しています。
2018年1月、警察庁は全国の警察に煽り運転の取り締まりを強化し、厳正に処分するよう指示しました。
その結果、煽り運転に対する免停処分の件数は、例年の約9倍ものペースで増加しているとも言われます。

一般的には、交通違反の点数が一定基準に達した時に「免許停止」や「免許取り消し」の処分が下されますが、車を運転することで著しく道路交通の危険を生じさせる恐れが認められる場合には、点数に関係なく「免許停止処分」にできるという道路交通法の規定があります。
「煽り運転」に対して、警察庁はこの規定を積極的に用いるよう指導しているのです。

煽り運転

繰り返しになりますが、警察庁は、車を使って暴行事件を起こすなどした運転者に対しては交通違反点数の累積がなくても最長180日間の免許停止ができるよう全国の警察に指示しています。

相手を威嚇するような危険な行為は、レンタカーにおいても、絶対にやめましょう!

高速道路ではヘリコプターとの連携で摘発も!

東名高速道路などでは、ヘリコプターと覆面パトカーとの連携による取り締まりも行われています。
これは、上空から航空隊のヘリコプターが監視して、明らかな違反を見つけた場合は地上の高速隊に通報し、覆面パトカーが追跡するというもの。

なぜヒトは煽るのか?

※ヘリから撮影した「煽り運転」の実際の動画はネットでもアップされていますのでご覧ください。

煽ってしまうドライバー心理とは?

「煽り運転」とは、一般的に「前方のクルマとの車間距離を極端に詰める」、「クラクションを鳴らして威嚇する」、「前方に回ってブレーキを踏む」といった行為のことをなど指しますが、そのような行為を行うドライバーの心理はいったいどうなっているのでしょうか。

煽り運転という行動に出てしまうには、大体「きっかけ」があります。
急な割り込みをされたり、ノロノロ走っているクルマがいてなかなか抜けない、などといったケースです。
大半の人は、一時的に「ムカッとする」「イライラする」といった感情を抱くものの、「報復してやる!」「懲らしめてやろう!」「煽ってやろう!」とはなりません。

心理学的には、自動車特有の2つの「安心感」が、煽り運転を誘発すると考えられています。
似たような車はたくさん走っているので、個人が特定されにくいという「安心感」と、(車間を詰めたくらいでは)事故にはならないだろうという「安心感」です。
さらには、「ヤバくなったら逃げ切れる」という心理も働き、いつも以上に大胆な行動に出るものとも考えられます。
ハンドルを握った途端、気が大きくなる人がいるのも、このせいかもしれません。

2017年6月に神奈川県の東名高速道路上で起きた、煽り運転に端を発する死亡事故の加害者も、その動機について「むかついたのでやった」と供述しています。

カッとした時、心を落ち着かせる方法は?

・深呼吸をゆっくりする
・6秒数える
・家族や子供、ペットのことを思い出す


もし皆さんが、カッとする自覚があるのなら、「怒り」をコントロールする方法を普段からトレーニングしておくことも重要です。

冒頭でも書いたとおり「煽り運転」という違反は存在しませんが、その行為は「車間距離不保持違反」、「追い越し方法違反」、「危険運転致死傷罪」等、複数の違反行為で検挙されたり、場合によっては一発免停となる可能性があることを知ってもらいたいです。

「煽り運転」は、みんなの楽しいドライブを妨げる行為だけでなく、人の命や人生をも壊す恐れのある行為であることを、ドライバーとして肝に銘じておきましょう。